【ユーザーの全てがブランド認知者ではない】
「皆さんがおうちで使っている洗剤は何ですか?」
講習や勉強会で、参加されている方によくこの質問をします。半分くらいの方は「OO!」とすぐに答えられますが、「何やったっけ?」という方も結構多くいらっしゃいます。これを読まれている皆さん、今おうちで使われている洗剤、トイレットペーパー、食用油のブランドをすぐに言えますか?
ほとんど毎日使っているものでも、そのブランドを全員が覚えているわけではありません。こだわっている商品なら覚えていることも多いですが、そうでもない分野の場合、覚えている率は下がります。
実は、必ずしも「ユーザー=ブランド認知者」ではないのです。
ですので、ユーザーさんにもブランドを再認識してもらうことが重要です。その手段はいろいろありますが「パッケージ」は大きな役割を担います。ユーザーさんの家にあって頻繁に目にされるので、重要で効果的な媒体です。ロゴマーク、色使い、形状など中核的な部分はブランド戦略に沿って丁寧に開発されると思います。それに加えて顧客の習慣や心理を反映した「言われてみれば」の工夫もされることをお勧めします。
例えば、右利きの人が多い前提で、液体洗剤のボトルの持ち手はブランド名が書かれた面の右側についています。持ち手がない場合も、その面を見ながら左に傾けてキャップに注ぐようになるように注ぎ口のネジ部分とラベル面を意図的に設計しています。こうすれば使う時に必ずブランド名を見てもらえます。残量が見えるようにしているのも、使い切る前に詰め替えを買ってもらうと同じ商品を選ぶ可能性が高いので、「もうすぐ無くなるので準備してください。」というメッセージを伝えるためのものです。
「継続購入者を最大化する」ことがマーケティング活動の1つの目標です。現ユーザーさんが次に買いに行く時に「私はこれ!」としっかり覚えているためにどんなことができるかを、顧客になりきって深く検討してみてください。最後に、ブランド名やパッケージデザインを開発する際には商標に関する確認を早めにされることをお勧めします。開発の最後の段階で「使えない」ことがわかると大変です。