【今こそ、マズローの欲求5段階説】
経営やマーケティングでも使われる心理学の説に「欲求5段階説」があります。これはアメリカ合衆国の心理学者アブラハム・ハロルド・マズローが1943年に発表したものですが、今でも示唆に富むものです。
下の図表で示されるように欲求を階層に分け、人は下の層の欲求が満たされると1つ上の欲求を満たそうとする、と唱えています。
最下層が生理的欲求、その上が安全欲求です。平常時に経営やマーケティングの文脈で、この2つは詳しく説明されません。それは「満たされているのが当たり前」だからです。普段の意識は社会的欲求から上の層にあります。
現況はどうでしょうか?新型コロナウイルス感染症のために、世界中の多くの人の関心が「安心・安全」の層に降りています。その欲求を満たすために食品やマスクなどを求め、自宅から出ない行動をとります。
お金がばらまかられても、通常のように上位の欲求を満たすための消費活動に使う人は少ないでしょう。しばらくは、安心・安全ニーズに対して貢献できる活動に集中しつつ、アフターコロナの世界のための戦略を練ることが肝要です。